消費税-インボイス方式

消費税については胡散臭さを感じます。
国民の多くがなぜこうも消費税の引き上げに理解を示すのか、私にはわからない。3年後に税率を引き上げるという前に、もっと多く議論すべきことがある。制度の改善について何も議論せず、実施時期だけがとやかく言われることに腹立たしく思う。

消費税は、竹下内閣のとき1988年に導入され、1989年に実施されました。
その時の衆議院は、1986年の総選挙で当時の中曽根首相が「大型間接税とかいうものはやらんのです。この中曽根がウソを言う顔をしていますか。よく見てください」と言って、勝ったメンバーです。選挙後に中曽根首相は、公約を反故にして消費税導入に邁進し、中曽根首相の次の竹下内閣で導入されました。
消費税は、国民の審判を受けずに、選挙での公約を破って導入されたものとの思いがあります。

1997年に税率が3%から5%に引き上げられた時も、同様です。
1994年の自民・社民・さきがけによる村山内閣のときに、税率の引き上げが合意されました。1993年の総選挙では、誰も5%への引き上げを公約しませんでした。その後の1996年の総選挙でも、当選した議員の7割は消費税の増税を認めないと公約していました。

つまり、消費税の導入、引き上げは国民の合意のもとで実施されたものではありません。

1988年(昭和63年)竹下内閣時に、消費税法が成立、12月30日公布 。
1989年(平成元年)4月1日 消費税法施行 税率3% 。
1997年(平成9年)4月1日、既に村山内閣で内定していた地方消費税の導入と消費税等の税率引き上げ(4%→地方消費税を合わせて5%)を橋本内閣が実施。
2004年(平成16年)価格表示の「税込表示」が義務づけ。「総額表示方式」が実施された。

小泉内閣が消費税の「総額表示方式」を導入したことで、消費税率の引き上げが間近だと思いました。しかし小泉首相は自分の内閣では税率引き上げをしないと早々に宣言してしまった。
続く安部内閣、福田内閣も消費税問題をパスした。

麻生内閣はブレながらも12月24日の閣議で、税制抜本改革の道筋を示す「中期プログラム」の中で、「消費税を含む税制抜本改革を2011年度より実施」とし、早ければ11年度からの消費税上げを可能にした。

これを高く評価する意見がある。「3年以内の景気回復に向けた集中的な取り組みにより経済状況を好転させる」ことが消費税上げの前提としながらも、実施時期を明記したことを高く評価する人がいる。選挙ではしないと言いつつ、やる人よりマシだが、今は実施時期より内容の議論を優先させるべきだと私は思う。

与謝野経済財政担当相は12月21日、テレビ番組に出演し、税制抜本改革の柱となる消費税率引き上げに関し、「(上げ幅が)5%まで段階的に実施していく」と述べ、2015年度までに消費税率(現行5%)を10%に引き上げる必要があるとの考えを示した。

しかしその後決定した税制改革の中期プログラムには、消費税率引き上げの開始時期を「11年度」と明記しているが、引き上げ幅は示していない。
今、仮に与謝野経済財政担当相が言うように消費税率を10%にするとしましょう。

食料品などすべてのものに10%の消費税がかかってきます。
そうなると、所得の少ない家庭ほど、負担する消費税の割合が高くなる。いわゆる課税の逆進性の問題が上がってきます。

今後、消費税を引き上げて行くうえで、考えなければならないことは、この消費税の逆進性です。
これに触れずして、消費税の実施時期が云々されていることに憤慨します。

ヨーロッパの消費税率は高い。しかし日常品に対して消費税をかけていない国があります。イギリスの消費税の標準税率は、17.5%と日本の3倍以上です。しかし、低所得者ほど重い負担を課せられるという消費税の特徴を緩和するために、生活必需品には消費税の軽減税率が課せられています。まず、食料品、居住用建物の建築など食住にかかわるものの税率は0%、そのほか、家庭用上下水道や交通費、書籍、新聞などもゼロ税率です。さらに、医療や社会福祉、教育、郵便などは非課税になっています。
こうした状況のもとで、付加価値税の標準税率が17.5%と高税率のもとでも、税と社会保険料収入全体に占める消費税の割合は、18.3%にすぎません。

消費税を作り出したフランスではどうか。
フランスの標準消費税は19.6%です。しかし、生活必需品や生鮮食品の消費税は5.5%になっています。

民主党は政権獲得後の税制改正指針となるアクションプログラムで、税率の引き上げは検討課題とし、実施する場合は引き上げ幅を明らかにして総選挙で国民の審判を受けると明言した。消費税率引き上げの時期や率は、選挙の重要な争点とし、国民に判断をゆだねる。そうしてほしい。
国民は真っ向から消費税率の引き上げに反対しまい。ただ一律のアップを提示されたら、おそらく多くの国民はノーと言うだろう。

今必要な議論は、実施時期などではなく、国民合意を得るための消費税の内容です。
ヨーロッパでは、食料品はゼロ税率や軽減税率などで対応しています。わが国も、逆進性の緩和策は必要でないのか。今後一律に税率をアップしても良いのか。そこを大いに議論する必要があります。


消費税は、食料や電気・ガスなど生計費に課税する税です。公平だが、所得の低い人にも等しくかかるため、低所得者の生活には重くのしかかる税です。この逆進性を解決するには、ヨーロッパと同じようにインボイス方式を導入して、生活必需品とそれ以外に税率を分けるしかありません。

インボイス方式は、課税事業者が物を売る際に、消費税額を記載した納品書を発行し、それがなければ仕入者は消費税の仕入れ税額控除ができないという制度です。売上げ側と仕入れ側の納税額は相反する為に相互チェックが働き、過大仕入れや過小売上げの計上による脱税行為が困難になり、そこがガラス貼りになります。
中小企業における事務処理の増大を理由に見送りされましたが、正確な所得を税務署に把握されたくないのが本当のところであり、大企業ともども反対しました。

消費税の逆進性を解決するには、消費税率をわけて徴収する必要があり、消費税の税率に段階を設けると、インボイス方式を取らざるを得ません。そうしなければ、個別の課税仕入の計算が正確にできないからです。

日本では1989年(平成元年)に消費税を導入しましたが、最も重要なインボイス制度を抜き取り、業者に「益税」をもたらす「免税点」「簡易課税」を組み入れた骨抜き税制となりました。
現在、売上が1000万円以下の者は免税業者になっていますが、インボイス方式では、インボイスを発行できない免税業者からは仕入れがされなくなります。
結果、中小企業も課税業者にならざるを得ませんが、これができない業者は即刻市場から退場していただくだけです。

今の消費税の制度(帳簿方式)は、消費者から受取った消費税をごまかすことは出来ませんが、他の事業者から賦課されてきた消費税をごまかすことが出来ます。
課税業者、非課税業者、免税業者の混在がよくありません。帳簿方式では、非課税業者、免税業者からの仕入も消費税が課されたとして処理されても実務上は分かりません。仕入に関わる消費税がより正確に、かつごまかしが出来ないようにするにはインボイス方式が必要です。
この方式に拠れば、消費者が支払った消費税を事業者が不正に懐に入れることが防げます。益税の発生を防げます。消費税の構造的欠陥を正さず、税率のアップが行われれば、消費税の正当性がますます失われていきます。

消費税の引き上げの前提には、消費税の税率に段階適用の是非、その前提となるインボイス方式の導入について議論しなければならない。またこれが益税問題の解決にもなります。

― posted by ぷらむ at 12:56 pm pingTrackBack [0]

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